ピラティス・ヨガ

ヨガと背骨

ヨガの特徴の一つとして、背骨をいろいろな方向によく動かすポーズが多く見られます。
ポーズ以前にもヨガの原理において背骨は身体の中心軸でありエネルギーの通り道とされていて、その軸の上にチャクラというエネルギーを活性化させる輪が存在すると言われています。
現在では解剖学的にも背骨の構造や機能の大切さが理解されていますが、ヨガの世界では感覚的にもその重要性が当初から説かれていたのかもしれません。

以前の記事でも説明してありますが、背骨の簡単な構造を見てみるとそれは一本の長い骨というわけではなく、椎骨というブロックのような骨が一つ一つ積み重なって構成されています。骨盤の後ろ側にある仙骨から頭蓋骨までをつなぎ、首の部分には椎骨が7個(頚椎)、胸の部分に12個(胸椎)、腰の部分には5個(腰椎)、計24個が重なって背骨を作っています。
椎骨の大きさは均一ではなく、頚椎から腰椎に向かって次第に大きくなっていきます。それは下に向かっていくほど身体を支える力が加わるため、大きな骨で安定させる必要があるからです。

また、積み重なった背骨の形状はストレートなラインではなく、ゆるやかなS字カーブを描いています。そのおかげで二足歩行やジャンプした時の衝撃を分散させ、脳や身体を守っているのです。しかし、日常の姿勢不良や一定の筋緊張によってこの湾曲に歪みが生じ、ゆるやかなカーブを保つことができなくなってしまうのです。歪んだ背骨は姿勢を維持するために余計な筋肉を使いすぎたり、他の部位に負担をかけてしまったりして、その結果腰痛や肩こりなど身体の不調を引き起こしてしまいます。
また内臓の働きなどをコントロールする自律神経も背骨の内側から通っており、冷えや消化不良など臓器の不調や精神面にも背骨の歪みが関係するとも言われています。これらの症状を解消するためにも、まずは日常から背骨を健康な状態に保っておくことが必要となるでしょう。

ゆるやかな背骨のカーブを維持するために普段からきれいな姿勢を意識することも大切ですが、私たちの身体は常に重力による負荷を受けており、同じ姿勢でいることで背骨にも垂直方向の圧力が加わり続けています。椎骨と椎骨の間には椎間板というクッションのようなものがあり、重力などの外的な負荷から背骨を守ってくれていますが、圧縮を続けることで腰痛、いわゆる椎間板ヘルニアなどの症状を引き起こしてしまいます。
この椎骨への過剰な圧縮を和らげるためにも、ヨガのポーズにあるような背骨をあらゆる方向へ引き伸ばしてあげることがとても効果的な方法でしょう。

もともと背骨は椎骨が何個も重なっていることで多方向への柔軟な動きが可能です。前後左右、さらにはねじるような動きによって背骨の柔軟性は保たれ、筋緊張による歪みもリセットされていきます。ヨガをおこなう際には、背骨がどんな動きをしているか、また椎骨との間を引き伸ばすような感覚でポーズをとることを意識してみてもよいでしょう。重力に負けないきれいな背骨が作られていくはずです。

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