身体について

肋骨について

前回の背骨の話に引き続き、今回はその背骨に付着している肋骨のお話です。首から骨盤にかけてまっすぐ伸びているイメージの背骨に対し、肋骨は背骨の横から身体の前面に向かってぐるっとカーブするように伸びています。人間ではその肋骨は、胸の真ん中にある胸骨という骨に軟骨を介して繋がっています。このような構造によって肋骨は、その内側にある臓器を外部の衝撃などから守ることができています。

他の脊椎動物にも肋骨はありますが、その数や付着している位置などはそれぞれです。人間をはじめ哺乳類の肋骨は胸椎という胸の部分にしかありませんが、爬虫類の肋骨は腰のあたりにまで付着しています。肋骨があることで爬虫類は脚が身体の横に生えているような構造ですが、哺乳類は肋骨がない分脚を身体の下に移動させ、自由に動かせるようになりました。加えて肋骨が少ないことで背骨が動かしやすくなり、前後左右各方向への自由度が増しています。人間はそこからさらに二足歩行を獲得したことで腰椎が前に引っ張られ、背骨にS字のカーブができたということですね。

肋骨が少ないことで利点が多く感じられますが、骨に守られていない腰や腹部へのダメージに気をつけなければいけません。特に二足歩行になった私たち人間は、背骨も垂直に向いたことで身体の重さや負荷がちょうど腰の部分にかかるようになり、その結果腰痛という天敵を生んでしまいました。

ではその骨がない部分を守ってくれるのがなにかと言うと、数々の筋肉たちです。肋骨の内側には横隔膜があり(横隔膜も筋肉の一つ)身体の胴体部分を半分に分けるように、平べったくドームの屋根のような形をしています。この横隔膜より上側の部分を胸腔と呼び、胸骨や肋骨、背骨にしっかりと守られています。反対に横隔膜から下の部分は腹腔と呼び、ここには背骨しか骨がありません。つまりこの腹腔部分を、筋肉や正しい姿勢によって特にサポートしてあげる必要があるということです。このあたりは腰痛とも関係してくる話ですので、また詳しく解説していきたいと思います!

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