トレーニング理論

関節可動域

ヨガのメリットとして身体の関節可動域を広げることができる、とお伝えしました。この関節可動域についてもう少し詳しく解説していきたいと思います。

関節可動域は英語で「Range of Motion」略してROMとも呼ばれます。その名の通り身体が動く幅という意味ですが、この幅が私たちの各関節ごとにある程度決められています。
例えば、気をつけの姿勢になり腕を前から真上に上げてみましょう。これは肩の「屈曲」という動作ですが、この動作を主に行うのは肩と腕をつなぐ肩甲上腕関節、いわゆる肩関節です。肩関節において屈曲動作の正常な可動域は180度とされています。
つまり腕を真上にまっすぐ上げられることができれば正常な可動域があると言えますが、筋肉の硬さなどなんらかの問題があって真上まで上がらない場合、そこがその人にとっての可動域の限界となります。
反対に気をつけの姿勢から腕を後ろに上げてみます。これは肩の「伸展」という動作で、正常な可動域は50度程度とされています。前からバンザイはできますが後ろからはできないですよね。このように身体の各関節の動作それぞれに可動域は定められています。

次に仰向けの姿勢から片脚だけ膝を曲げ、お腹に近づけるように上げてみます。これは太ももの付け根にある股関節の「屈曲」という動作です。膝を曲げた状態での股関節の正常な屈曲可動域は120度なので、膝が真上ではなくもう少しお腹のほうに近づいていれば正常であると言えます。
こちらも反対に股関節から脚を後ろに動かす「伸展」の動作ではほとんど脚は上がらず、その可動域は10度くらいだと言われています。
股関節の他の動作では、脚を外側に動かす「外転」、内側に動かす「内転」ではそれぞれ45度と20度、さらに脚を外側にひねる「外旋」、内側にひねる「内旋」ではどちらも40~45度程度と可動域が定められています。

この関節可動域はあくまで一般的な数値なので個人差はあります。骨の形やつき方、靭帯の柔らかさなどによっても変わるので一概には言えませんが、できるだけ定められた可動域の範囲を獲得しておきましょう。昔は柔らかかったのに…と思っていた身体も、日々動かしていないと少しずつ硬くなってしまいます。
ヨガでなくもストレッチやトレーニングで関節をしっかりと動かすこと、もっと簡単なものであれば肩や股関節、手首や足首などそれぞれの関節をゆっくりと回してあげるだけでも効果的です。その際、できるだけ可動域の限界で動かすように大きく回してあげましょう。

関節が硬くなってしまうといざ身体を動かそうと思った時に動きにくさを感じたり、トレーニングの時に正しいフォームをとれなくなってしまうことで適切な効果を得られなくなったりしてしまいます。
また硬くなった関節は、可動域を失って動けない代わりに別の関節を必要以上に動かそうとしてしまいます。これを「代償動作」と言いますが、この代償動作によって別の関節に負荷がかかり怪我や痛みを引き起こしてしまいます。日常動作やスポーツなどでもよく見られる現象であり、動きやすい身体やパフォーマンスアップのためにも適切な可動域はとても重要になってきます。
実際に見られる代償動作についてはまた詳しく解説していきたいと思います。まずは関節をよく動かして、柔軟な身体を獲得していきましょう!


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