ピラティス・ヨガ 身体について

背骨と自律神経

前回、天候や気圧の変化に伴う自律神経の乱れについてお話しました。
気圧の変化は耳の奥にあたる内耳から脳へ情報として伝わり、体内でうまく処理できなった場合に自律神経の乱れから体調の悪化へと繋がります。

天気によって体調も左右されやすい人は、情報をキャッチする部分である耳周辺をほぐしたり温めたり、血流を促進することが一つの改善策になるかもしれません。

気圧の変化に関わらず、日常的に自律神経のコントロールに大きく影響を与える部位があります。
それが背骨です。

自律神経は脳と脊髄から始まり、体内の各内臓や器官へと分布しています。
脊髄というのは頭から背骨へと長く伸びる神経の束で、脳とともに全身へ指令を送る中枢神経を担っています。

自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、交感神経はこの脊髄の胸と腰あたりの部分から、副交感神経は脳と仙髄という脊髄のほぼ末端部分から出ています。

脊髄の太さは約1cm、長さは40cmほどで、脊柱管と呼ばれる背骨の中の細い空間を通っています。
これは、背骨には脊髄を守る役割もあるということですね。

しかし背骨の中に収まっている脊髄は必ず安全というわけではなく、覆っている背骨の動きや硬さがとても大切になります。

背骨の内部にある脊髄は背骨と同じ道を辿っていくということですので、道の途中が大きく曲がっていたり、圧迫されて狭くなっていたりするとその道はうまく通ることができません。

神経もその道を通ってくるので、道中のコンディションが悪ければ、脊髄から全身へ送る指令や末端部から情報を受け取る力も弱くなってしまいます。

つまり背骨のアライメント(配列)を整えることや、過度な圧迫やストレスを避けて動かすことは姿勢の改善などの他に、こういった神経系の働きにも良い効果をもたらすのではないでしょうか。

ピラティスは背骨のワークと呼ばれることもあるくらい背骨をよく動かし、十分な長さと柔らかさを保ちます。
ピラティスをすると気持ちがすっきりするというのは、身体が伸びたからだけでなく神経系の安定も関係しているのかもしれません。
そう考えるとピラティスは自律神経系ととても相性の良いトレーニングになりますね。

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