ピラティスには身体にとって良い効果がいろいろとありますが、その内の一つにボディマップ(身体の地図)をクリアにするというものがあります。
これは自分の身体がどこにあってどう動いているのか、感覚と認知能力を高めることで、ピラティスで得られる大きなメリットだと考えています。
身体の構造や形は持って生まれた自分自身のものですが、その隅々まで正確に意識することは簡単ではありません。
ピラティスのレッスンでも筋肉の伸びや関節の動き、姿勢など身体の状態を感じるように指導を受けることも多いと思います。
しかし見た目では動作がしっかり行えていても、感覚、認知不足によりどこを動かしてなにをしているのかがわからないというケースもよく見られます。
これはピラティスに限らず、日常生活でも段差にすぐつまずく、物の角にぶつかりやすい、姿勢が定まらずにふらふらするといった症状からも読み取れます。
単純に筋力や注意力不足から起こるわけではなく、身体の位置情報の不正確さ、意識とのズレから生じているとも考えられます。
こういった身体感覚をクリアにし、認知能力を高めることで転倒や事故の未然の防止、また姿勢改善による腰痛や肩こりの解消にも効果的です。
動作の正確性が上がることでピラティスやトレーニングのパフォーマンスアップも期待できますね。
身体感覚や認知能力の向上と聞くとなんだか難しそうなイメージですが、まずは身体をたくさん動かしてあげることが重要です。
私たちは全身に様々な感覚器やセンサーを備えており、ここに多くの刺激を与えることで自然と感覚のスイッチが入ります。
身体の表面である皮膚、筋肉や関節の動きを感じ取る体内深部の感覚器、上下左右の傾きや速度を感知しバランスを司る平衡感覚など、これらは筋肉と同じように使わなければ弱くなり感覚も鈍ってしまいます。
感覚が鈍り、スイッチがオフになった状態では身体の地図も暗いまま、どこになにがあるかわかりません。
地図を正確に作るためには、行ってない場所に行って明かりを灯すことが重要です。
それはつまり普段使っていない場所、意識していない部位を動かすことになるので、できるだけ多種多様な運動やトレーニングを取り入れたほうが与えられる刺激も増えていきます。
そういった観点からピラティス、特にマシンを使用したピラティスはエクササイズのバリエーションも豊富で、様々な姿勢や動作、不安定な要素を加えることもでき、筋力や柔軟性のみならず上記のような感覚、認知機能向上のためのトレーニングとしても相性がすこぶる良いということです。
ボディマップ(身体の地図)を作り上げることをボディマッピングとも言いますが、これはトレーニングに限らず日常的に行っていくことも大切です。
裸足で芝生を歩いたり転がったりすることは皮膚感覚や平衡感覚を刺激し、いつも動かすことのない足の指や足首の曲げ伸ばし、背骨をゆっくり丸めたり反ったりすることも十分効果的です。
全身の身体感覚を高めることは運動能力の向上や痛み、姿勢の改善にも繋がります。
日々少しずつでも、身体にあるいろいろなスイッチを押し続けてあげましょう。
ボディマップ