条件下必須アミノ酸

私たちの身体は、主にタンパク質でできています。

身体の構成要素を見てみると約60％が水分で、次いでタンパク質が約20％の割合を占めています。
水分を除く体内の固形成分のおよそ半分がタンパク質であり、筋肉や内臓、皮膚、髪や爪など様々な部分の材料になっています。

さらにそのタンパク質のもととなる物が「アミノ酸」です。

今回は、そのアミノ酸の分類について簡単にまとめてみましょう。

アミノ酸はタンパク質を構成する最小単位の物質であり、そのアミノ酸が2個～数十個つながったものをペプチド、数十個からそれ以上が結合したものがタンパク質となります。

体内では、20種類のアミノ酸が様々に組み合わさってタンパク質を構成しています。
この20種類のうち、11種類は体内で生成することができる非必須アミノ酸と呼ばれます。

残りの9種類は必須アミノ酸（EAA=Essential Amino Asids）といって、体内の代謝だけでは十分に作り出すことができません。
そのため食事から必須アミノ酸を摂取しなくてはいけませんが、これは体内に蓄積することもできないので、日常的にアミノ酸（タンパク質）をバランス良く含む食生活を続けておく必要があります。

一方、11種類の非必須アミノ酸は放っておいても体内で作られるため、必須アミノ酸よりも栄養としての重要度が低くなりがちです。

それでも非必須アミノ酸にはそれぞれの役割があり、時には必須アミノ酸と同じように食事から摂取する必要があるほど体内での合成が追い付かない場合もあります。

まずは20種類のアミノ酸を二つに分類してみましょう。


必須アミノ酸：バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン

非必須アミノ酸：アルギニン、グルタミン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸


この中で非必須アミノ酸に分類されているアルギニンとグルタミンですが、これらは特定の条件下では必要量が増す（体内で不足する）ため、「条件下必須アミノ酸」または「準必須アミノ酸」などと呼ばれたりもします。

例えばアルギニンは成長ホルモンの分泌に関わりますが、子供の体内では十分に作り出すことができないので、小児期という条件下では必須アミノ酸に分類されます。

もう一つのグルタミンは激しい運動やトレーニング後、または大きなストレスにさらされた場合に一気に消費されます。

グルタミン自体には筋肉の修復や疲労回復、免疫力の向上や腸の健康維持というような役割もあるため、欠かさず摂取しておかなければいけません。

日々の身体づくりやコンディショニングのために必須アミノ酸よりも必要と言われるグルタミン、この特徴や活用法についてまた次回以降お伝えしたいと思います。