瘦せやすい身体作りに関するお話、前回は酵素の働きを高める栄養素についてお伝えしました。
今回もその働きを高めるため、体内環境が酵素に与える影響や改善点を考えてみましょう。
酵素の原料はタンパク質であり、それに加えてビタミンやミネラル類を摂取することでその働きが補われます。
つまり十分なタンパク質を含んだ主菜、栄養バランスの取れた副菜を毎日の食事にしっかりと取り入れることが代謝を高める基礎となり、体質改善の初めの一歩と言えるでしょう。
さらに酵素の働きには体内環境も関係してきます。
私たちが猛暑や騒音の中では仕事の効率が下がるように、酵素にも働きやすい環境があるということですね。
まず第一に重要なのは、体温です。
酵素はタンパク質でできているため、高温にさらされると形を変え力が弱くなってしまいます。
これを熱変性と呼びますが、反対に温度が低い状態でも反応速度が落ちてしまい、うまく働くことができません。
酵素が活性化するためには一定の温度を保つ必要があり、これを「至適温度」と呼びます。
酵素によって差もありますが、人間の至適温度は約37℃とされています。
自分自身の体温と比べてみていかがでしょうか。
体温は1℃下がるだけで酵素の働きも大きく変わります。
体温が普段から35℃台~36℃台前半という人は代謝の低下にも気をつけなければいけません。
以前、冷えや体温調節に関しての記事も書きましたが、低体温では身体の様々な機能も弱くなってしまうということですね。
体内環境でもう一つ大切なのは、pH値です。
pH値とは水溶液中の水素イオンの濃度を表す数値で、0から14までの値で示されます。
数値が低いと酸性、高いとアルカリ性となり、血液やリンパ液といった人間の体液は通常7.4の弱アルカリ性で保たれています。
このpH値も全身の細胞、機能の活性化に関連しており、酵素の働きも例外ではありません。
体温と同じように、pH値にも酵素の働きが最も強くなる「至適pH値」があります。
分泌される場所によって違いはありますが、体内pH値を7.4に維持しておくことが酵素の活性化にとって一番良い環境となります。
pH値は数値が7.35以下(アシドーシス)、または7.45以上(アルカローシス)になると頭痛や不整脈、筋肉の痙攣や意識障害といった危険な症状が現れます。
そのため身体のあらゆる機能を使って数値を保っているので、基本的に大きく変化することはありません。
しかしpH値の維持に日々負担をかけているものがあり、その一つが食事です。
食品も酸性やアルカリ性に分けることができ、米やパンなどの炭水化物、肉、魚類は酸性食品、野菜やキノコ、豆や海藻類などはアルカリ性の食品となります。
糖質過多や栄養バランスの崩れた食生活ではアルカリ性の食品が不足しやすく、体内を酸性に傾けます。
すると体内の酸化を防ぐため、身体は酸を体外へ排出しようとします。
その方法が呼吸です。
二酸化炭素を吐くことでpH値を調節しているので、体内の酸化は呼吸数の増加に繋がるということです。
代謝の話とは少しずれてきてしまいますが、呼吸の乱れは疲労感や過緊張、自律神経系にも悪影響を与えます。
酵素だけでなく全身の機能を正常に保つため、栄養の摂取は大きな意味を持ちます。
トレーニングや運動、見た目のきれいさももちろん重要ですが、良い体内環境づくりにも少し意識を向けてもらえるとなによりです。
大事な食品や栄養素についてはまたいろいろとお伝えできたらと思います。
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