トレーニング理論 身体について

ジュニア期のトレーニング

冬になり様々なスポーツ、特に学生たちにとっては大きな大会やシーズンを終える季節になりました。
当スタジオでは学生向けのコースもあり、小学生から大学生まで幅広い年代にトレーニングを提供しています。

以前、子供の成長過程についてもお伝えしたと思いますが、一口に学生と言ってもその年齢やホルモンなどの体内因子によって発達具合はそれぞれです。
筋肉や神経系などが発達する割合も成長時期によって異なるため、大人やスポーツ選手と全く同じではなく段階に合わせたトレーニングを行っていかなくてはいけません。

特に筋骨格系がまだ十分に発達していない10歳前後の子供たちには、パワー向上や単一的な動作を繰り返すトレーニングよりも全身の協調性や巧緻性など身体の使い方や動作性を高めるトレーニングも大いに効果的です。
こういったトレーニングはコーディネーショントレーニングとも呼ばれ、下記の7つの要素に分類されます。

・リズム能力(リズムやテンポに合わせて動きを真似したり表現したりする能力)
・バランス能力(空間や移動中などあらゆる局面において姿勢保持、体勢を立て直す能力)
・定位能力(自分と他人、ボールなどの位置関係や距離感を正確に把握する能力)
・変換能力(状況に応じて素早く動作を切り替える能力)
・連結能力(体幹や手足をタイミングよくスムーズに動かす能力)
・反応能力(相手の動きや音など外部の情報を察知して瞬時に対応する能力)
・識別能力(ボールやラケットなどの道具を正確にコントロールする能力)

コーディネーショントレーニングはスポーツの基礎となる能力を高め、実際のスポーツスキルの習得や効率的なスポーツ動作、怪我の予防など専門的スポーツと関連した効果も得られると言われています。

もちろん大人になってからでも多様なトレーニングは身体の成長に効果的ですが、やはり神経系の発達がめざましい10代の時期に行うことで吸収も早く、より良い効果が望めるのではないでしょうか。

コーディネーショントレーニング以外にも様々なトレーニング方法がありますが、どのトレーニングも対象となる人の年齢や体力レベルに合わせて行うことが第一になると思います。
ジュニア期の筋力トレーニングなどは成長に良くないとも言われがちですが、これも身体の使い方や力の出し方に重点を置くことで適切な効果が得られます。
筋力トレーニング、特にダンベルやバーベルを使うフリーウエイトでは重りをうまく扱わなければいけません。
しかしこの時期の子供たちはまず自分自身の身体をコントロールすることが大切なので、筋力トレーニングの優先度は低くなります。
また重りに対して関節を保持したり身体を守る能力も弱いため、怪我のリスクも高くなります。

運動、栄養、休息のバランスを保ちながら、成長段階に合わせたトレーニングを取り入れていきましょう。

カテゴリー

-トレーニング理論, 身体について

© 2020 training studio livitum