年が明けてからぐっと気温も下がり、寒い日が続くようになりました。
寒くなってくると血流も低下し、手足の冷えや肩回りの硬さやコリなど身体の不調を感じる方も多いのではないでしょうか。
冷えは体温にも影響し、人間の基本的な平熱とされる36.5℃から1℃体温が下がると、体内の免疫細胞の機能も30%低下すると言われています。
なにかと体調不良を起こしやすいこの時期は、寒さや身体の冷えへの対策が欠かせません。
また、運動やトレーニング時には、今挙げた体温の他に筋温というものも気にかけてみるとよいでしょう。
筋温というのは、その名の通り筋肉の温度を示す言葉です。
外気によって上がったり下がったりしやすい皮膚の温度に比べて筋温は変化しにくいですが、運動のパフォーマンスや障害発生リスク軽減などに密接に関係しています。
まず、筋温が上昇すると、筋肉内の血流や酸素量が増加し、筋肉の収縮力などの働きが高まります。
さらに、関節や腱の柔軟性も高まるため、関節可動域の向上、ひいては怪我の予防効果へと繋がっていくでしょう。
筋肉や関節が動きやすくなることでスポーツのパフォーマンスも高まっていくだろうともちろん考えられると思いますが、実際にジャンプ力やバイクのペダリングを測定した研究では、筋温が1℃上がるごとに4%程度パワーも上昇するといった結果も出ています。
筋温は上がれば上がるほど良いというわけではなく、体温と同じように高熱になれば身体に悪影響を与えます。
運動に最適な筋温は38℃と言われており、それを超える40℃付近からパフォーマンスは大きく低下していきます。
これは熱中症のような危険な状態ですので、夏場のスポーツ環境にも十分注意しなければいけません。
筋温を上げるためには、スポーツでいうウォーミングアップ、いわゆる準備運動が必要になります。
その内容は様々ですが、一般的にはストレッチやランニングなどを10~20分行うことで十分に筋温を高めることができます。
ウォーミングアップと聞くと競技や試合の前に行うイメージですが、普段のトレーニングの質を高めたり、日常的な血流改善、冷えの解消にももちろん効果的です。
自宅であれば簡単な運動やストレッチ、外出する際には電車やバスだけでなく、意識して20分程度ウォーキングする時間を作ってみるとよいでしょう。
これから一段と気温も下がっていくようですが、防寒対策も欠かさずに、寒さに負けない身体作りにぜひ取り組んでみてください!
筋温