身体について

発痛物質

腰痛や肩こりなど身体の痛みの原因は様々ですが、その内の一つとして「発痛物質」というものがあります。
発痛物質とは体内の筋や筋膜などの組織、その他の細胞から放出される物質のことで、ブラジキニンやヒスタミン、アセチルコリンなどの種類があります。
これらの物質は組織の損傷や自律神経バランスの乱れ、筋緊張や血流の低下などにより産生され、侵害受容器を通して痛みを引き起こします。

筋肉は通常、関節をまたいで骨と骨に付着しています。その筋肉が伸び縮みすることで関節が動き、私たちはあらゆる動作を行うことができています。
しかし運動不足や座りっぱなしなど関節が動かない不動の状態が続くと、筋肉は伸び縮みすることなく徐々に硬くなってしまいます。
硬くなってしまった筋肉は血流が悪くなり、酸素および栄養が十分に行き届いてくれません。
また交感神経が優位になると筋肉の緊張や血管の収縮が亢進されますので、運動不足に加えて長時間の仕事やストレス過多など交感神経の興奮が続くことでも発痛物質の放出を促してしまいます。

肩こりの場合、肩や首の周辺には僧帽筋や胸鎖乳突筋、肩甲挙筋など多くの筋が存在しています。
日常生活でデスクワークやスマホ操作をしながら同じ姿勢を続けていると、こういった筋が重い頭部を支えるためにどんどん硬くなってしまいます。
筋肉の緊張は血管を収縮し、肩や首のこりのもととなる発痛物質を生みますが、これがさらに痛みの悪循環へと繋がります。

産生された発痛物質の刺激情報が脳へ送られることで、身体は痛みを感知します。痛みを感じると交感神経も興奮状態となり、反射的に筋肉や血管も収縮し続けてしまうため発痛物質が消失していきません。
痛みの原因が怪我などであれば、組織が回復することで痛みも治まりますが、筋緊張やストレスに原因があるとこのように痛みのサイクルは続いていきます。これが慢性的な痛みのもととなっていくのです。

痛みの緩和のため血流を良くすることは効果的ですが、対象部位を温める方法は一時的なものでしかありません。血流が低下しているそもそもの原因を解決することで痛みのもとを断ち切ることができます。
筋肉が硬くなってしまっている場合はストレッチやマッサージで持続的に伸ばしたり緩めてあげる必要がありますが、これも根本的な原因ではありません。姿勢不良や筋力不足など、運動機能の低下がどこかの部位に影響を与えます。正しい動作や姿勢を獲得することで痛みの根底から改善することができます。痛みが強くなってしまわないよう日頃から姿勢や動作に偏りがないか気をつけてみましょう。


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