ピラティス・ヨガ 身体について

ピラティスによる姿勢改善

ピラティスの効果として取り上げられるものの一つに姿勢の改善があります。

ピラティスをしていると猫背や反り腰がよくなったり、普段の姿勢もきれいになるということで、実際にピラティスを続けてこられた方からは、立っている時や歩いている時など日常的に姿勢がよくなったというお声をいただくこともあります。

ではピラティスのどのような点が姿勢改善に関係しているのでしょうか。いくつか要因を挙げてみたいと思います。

まず一つは身体の内側にある筋を動かしていることです。
インナーマッスルやアウターマッスルと言われるように、身体には深層部から表層部まで様々な筋があり、それらの筋が関節を動かしたり支えたりすることで私たちの動作を作り出しています。

その中でもピラティスでよく使われるのは身体の深層部にある筋で、これらは背骨や骨盤を小さく動かしたり動作中に安定させたりするために作用します。
ピラティスのトレーニングでは背骨を一つ一つゆっくり動かしたり、姿勢を意識して動いたりすることが多いと思いますがそれはインナーマッスルの働きを強めるためでもあるということですね。

正しい姿勢と言われてまず意識するのは、背すじをまっすぐに伸ばすことではないでしょうか。
厳密には背骨は直線ではなくゆるやかなS字カーブを描いていますが、このカーブを適切に保つことが良い姿勢を作るポイントになります。

ピラティスのエクササイズでよく聞くような腹横筋や多裂筋、他にも内腹斜筋や大腰筋、脊柱起立筋群といった筋は腹部や背骨、骨盤まわりを安定させ、きれいなS字カーブを保つ役割を持っています。
もちろん様々なトレーニングやエクササイズ、日常生活でもこれらの筋は使われているはずですが、特にピラティスの動作では動員される割合が多く、自然と身体の深層部が鍛えられいきます。
これが姿勢改善の一つの要因と考えられます。

身体を支える筋を鍛えるのであれば、つらい姿勢でじーっとキープするようなエクササイズも有効のように思われますが、ピラティスでは基本的に動作を止めずに動かし続けます。
そもそも一つ一つの筋を鍛えるというよりは「背骨のワーク」と呼ばれているのがピラティスです。

背骨が本来持つ機能や可動性、動作を存分に発揮するのがピラティスであり、そのために各深層部の筋が働いていきます。
つまり筋を鍛えるためというよりは、主に背骨の動作を鍛えていくのがピラティスということです。

動作を鍛えることで背骨の動きは柔軟になり、機能も高まります。
機能的な背骨は日常生活でも安定性が高く、自然と良い姿勢を保ってくれるということになります。

ただし運動不足や筋力低下によって背骨が十分に動かないという方も増えてきているのが現状です。
そういった場合は背骨全体の動きを行う前に、硬くなっていたり動きにくい筋を一つ一つ緩めたり強化していく必要があります。

きれいな姿勢を作るために、まずは背骨を安定させる機能や能力が足りないのか、または筋自体が弱くなってしまっているのか見極めながらトレーニングに取り組んでいきましょう。
ピラティスではどちらにもアプローチすることができるので、姿勢改善に特に効果的なエクササイズだと思われます。

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