ピラティス・ヨガ

プレピラティス

ピラティスの創始者、ジョセフ・ピラティス氏には数名の弟子の方たちがいました。その人たちは「エルダー」または「ファーストジェネレーション」(第一世代)と呼ばれ、ピラティス氏亡き後もピラティスメソッドの普及と発展に努めていきました。

その内の一人にイブ・ジェントリーという女性がおり、彼女も1994年にこの世を去るまで、第一世代としてピラティスメソッドの発展に貢献してきた人物です。
イブはもともとアメリカのカンパニーで踊るダンサーでしたが、乳がんを患い胸部手術によって片方の大胸筋を失ってしまいました。術後のリハビリのためにピラティス氏のスタジオを訪れ、彼の指導のもと見事に術前と同じように動けるところまで回復していきました。
その後もイブはピラティス氏の指導を受けながら、アシスタントとして20年以上同じスタジオで働き続けます。

そんな彼女自身の経験やピラティス氏の指導を踏まえて考案されたメソッドが「プレピラティス」です。
そもそもピラティスのエクササイズはwhole body(ホールボディ)のワークと呼ばれ、体幹だけでなく腕や脚など身体全体を使った動きが特徴でした。
またピラティス氏の指導もエクササイズの順番や流れが決まっていて、それに合わせて動くことで自然と身体が作られていくというものでした。

しかしピラティスが普及するにつれて指導を受ける人たちも増え、それぞれ身体の強さや癖も千差万別です。
さらにイブのクライアントにも運動機能障害の改善やリハビリを目的とした人たちが多かったこともあり、その人たちと向き合っていく中で少しずつプレピラティスを構築していきました。

プレピラティスとはその名の通り、ピラティスの準備運動となるようなエクササイズです。
いきなりピラティスを行うには難しい体力レベルの人たちに、その準備としてイブが提供していたもので、全身運動のピラティスとは違って小さい動きで関節を動かすことで身体を緩めたり動きの癖を修正したりしていきます。
小さな動きを繰り返すことで、全身運動では気づかなかった身体の歪みや力みを自身で感じるようになります。また普段は動かせていなった部分も意識して動かしていくことで、その後のピラティスの動作にも機能的に身体が繋がっていくようになります。

プレピラティスを行うことで動きの修正や機能改善ができ、自分自身の身体を感じ、見つめ直す時間にもなります。その結果、低体力者や怪我人のためのものだったプレピラティスが万人に必要なものと認識されていきました。

このようにプレピラティスを含めたイブの指導は、クライアント一人一人に合わせた「クライアントファースト」を心がけています。
決まった動作に合わせて動いていくピラティス氏のスタイルは「クラシカルスタイル」や「クラシカルピラティス」と呼ばれるのに対して、イブは「ウエストコーストスタイル」として自身の指導方法を確立していきました。
どちらのスタイルにも良い点があり、違った効果が得られると思います。当スタジオもパーソナルでの指導がメインですので、基本的にはプレピラティスやコレクティブエクササイズのように動きや癖を修正するところから始めていきます。
ただ、クラシカルの動作や流れも好きなスタイルなので、グループレッスンなどで取り入れていけたらと思います。ぜひ違ったスタイルやアプローチ方法を受けて、身体の変化を感じてみてください。

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