ダイエット 栄養 身体について

甲状腺の機能

前回、体温調節の機能は脳内の視床下部にあるとお伝えしました。
視床下部の中にある体温調節中枢が体内の各部位に指令を出し、体温を常に一定の温度に保ってくれています。

この体温を調節する部位の一つに甲状腺があります。

甲状腺とは首の前側、気管の上部にあたる位置にある内分泌器官です。
大きさは4~5cmほど、重さも10~20gと小さな臓器ですが、全身の機能や働きを正常に保つ大切な役割を担っています。

ここから分泌される甲状腺ホルモンは、下記のように様々な部位に作用してくれます。

▪ 脳 ⇒ 正常な発達促進
▪ 心臓 ⇒ 心拍数増加、収縮力増強
▪ 骨格筋 ⇒ タンパク質の異化(分解)
▪ 骨 ⇒ 正常な発達促進
▪ 脂肪組織 ⇒ 分解促進
▪ 肝臓 ⇒ 血中LDLの減少、血中中性脂肪の減少

また全身への作用として新陳代謝の促進、エネルギーや体温の産生、細胞の活性化といった働きも持っています。

糖質やタンパク質、脂質といった三大栄養素の分解、また体脂肪の燃焼によって産み出された熱を利用して身体を動かすエネルギーを作り出し、体温の調節も行なってくれるとても重要なホルモンと言えるでしょう。

その分反対にホルモンバランスが崩れてしまった場合、身体にも様々な悪影響を及ぼします。
主な例としては低体温や慢性疲労、代謝低下による体重増加や食欲不振、貧血に肝障害、女性では月経不順といった症状も見られます。

もし現在、上記のような症状がある方は甲状腺の機能低下を少し気にしてみてもよいかもしれません。

ホルモン低下の症状として低体温がありますが、体温測定は甲状腺の機能低下をチェックするためにも役立ちます。

基礎体温を測定し、数値が36.5℃未満の場合、甲状腺機能の低下が疑われます。
36.0℃未満の場合はほぼ甲状腺機能は低下してると考えてよいでしょう。

他にも血液検査でコレステロール値が高くなっている場合、甲状腺機能低下の影響かもしれません。
心配な方は、実際に甲状腺ホルモンの検査を受けることもおすすめします。

甲状腺機能の低下は代謝効率や体脂肪燃焼にも関係しているため、ダイエットやボディメイク中の方も注意する必要があります。
いきなり極端な食事制限を始める前に、まずはこういった身体の内部の機能を整えることが、効率的な身体づくりを進めてくれます。

甲状腺の機能低下を防ぐ方法はいくつかありますが、まず甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素の摂取を意識してみましょう。
食事から摂取したヨウ素は甲状腺の中に取り込まれ、甲状腺ホルモンを合成します。
そのため原料であるヨウ素が不足してしまうとホルモンの分泌量も低下してしまいますが、ヨウ素は特に昆布やひじき、わかめといった海藻、魚介類に多く含まれており、日本人は平均的に十分な量を摂取してると言われています。

しかし普段から海藻、魚介類をまったく食べない、食生活に偏りがあるという方はヨウ素を含む食材を積極的に摂取するとよいでしょう。
※ヨウ素の過剰摂取も甲状腺に影響を与えるため、偏った食材の食べすぎには注意が必要です。

その他鉄や亜鉛などの欠乏、基本的な栄養不足も甲状腺の機能低下を招く要因となります。
食事以外ではストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの増加、日常的な身体の冷えも甲状腺の機能に影響を与えます。

ダイエットだけでなく、心身の健康や日常生活において重要な機能ですので、ぜひ自身の食事や生活習慣を見直すきっかけとしてみてください。

カテゴリー

-ダイエット, 栄養, 身体について

© 2020 training studio livitum