前回、冬の時期に起こりやすい身体の不調の一つとして、季節性うつを取り上げました。
この時期は寒さに加えて日照時間が短くなり、自律神経や生活習慣が乱れやすくなります。
また、空気の乾燥に伴って体内の免疫細胞であるヘルパーT1細胞が過活性を起こし、慢性的な炎症を発生させることなどがうつ症状の要因として挙げられます。
日光を浴びる時間が短くなることは、ストレス軽減や精神安定効果を持つセロトニンというホルモンの分泌量を低下させてしまいます。
セロトニンは太陽のように強い光を網膜が感じることで分泌されますが、それ以外にもいくつかの栄養素が関連しています。
その中でも関連性の高いビタミンDについて、今回は解説したいと思います。
ビタミンDの主なはたらきは、カルシウムの吸収を助け、骨の形成や成長を促進することが一般的に知られています。
その他にも身体の免疫機能に関与し、過剰な免疫応答の抑制や正常化を助けてくれます。
また、腸内環境の改善にも効果があり、腸粘膜のバリア機能の保護、炎症を抑えるという役割も持っています。
このように身体のさまざまな不調改善に、栄養の観点からビタミンDは欠かすことができません。
そして今回の季節性うつの症状に関しては、免疫の過活性による慢性的な炎症が原因の一つに挙げられていました。
そこで、ビタミンDを充足させることで免疫機能の正常化、腸内の炎症抑制にはたらきかけ、症状の根本的な部分にアプローチしていきます。
さらにもう一つの原因として、セロトニンの分泌量低下がありました。
セロトニンは日光を浴びることで分泌されるとお伝えしましたが、その材料になるのがトリプトファンと呼ばれるアミノ酸です。
肉や魚、大豆、乳製品などに含まれるトリプトファンは、体内で5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)というセロトニンの前駆物質に代謝されますが、この代謝をサポートする補酵素としてビタミンDが必要になります。
ビタミンDが不足することでトリプトファンが5-HTPにうまく合成されず、その結果セロトニンの分泌量も低下してしまいます。
そういった点から、日照時間や天候による影響ももちろん考慮する必要がありますが、やはり日頃から栄養や食事、不調の要因に目を向けておくことが重要になってきます。
ビタミンDは鮭やイワシなどの魚介類、キノコ類や卵、乳製品などに多く含まれています。
重要度が高い反面、不足しがちな栄養素ですので、摂取方法や必要量などもまた詳しくお伝えしたいと思います。
季節性うつと栄養(ビタミンD)