前回からヨガについてのお話をしていますが、その特徴や成り立ちは瞑想が始まりということでした。
そのため現在でもヨガスタジオに行ってみるとレッスンの始まりや終わりに数分間の瞑想を取り入れていたり、より専門的なスタジオではマントラと言って古代インドから続いているサンスクリット語の呪文のような言葉を唱えていたりする場合もあります。マントラの目的や効果には、繰り返し言葉を唱えることで雑念を消し瞑想に集中することや、直接祈りや願いを唱えることなどがあるそうです。
このように精神的要素の強いヨガですが、肉体的にはどのような効果があるのでしょうか。
現代のヨガには様々な種類があり、決まったポーズを一定のフロー(流れ)で繰り返すものや、パワーヨガと呼ばれるトレーニング色の強いものなどもあります。近年ではヨガにリラックス効果を求める傾向も高いので、リストラティブヨガという身体を緩めたり休める目的のヨガもあります。ですが、どのヨガでも基本的には身体を伸ばしながらポーズをとり続けていくことが多いと思います。
私たちの身体にはおよそ600個の筋肉があり、その筋肉が意図的または無意識に伸び縮みすることで身体を動かし、歩いたり走ったりスポーツをしたり、いろいろな表情を作ってくれています。その場で一歩歩きだすだけでも200個の筋肉が関与すると言われるとちょっと驚きですね。もちろん身体は動かしていなくても、座って読書をしたり電車で立っているときでも筋肉は活動しています。
ただし、同じ姿勢が長時間続いたり、同じ動作ばかりを繰り返したりすることで筋肉は伸び縮みする力が弱くなっていきます。力が弱くなった筋肉は伸びずに硬くなってしまい、姿勢や血行不良を招き、そこから肩こりや腰痛などの症状を引き起こしてしまいます。日常生活ではどうしても座っている時間が長くなったり、パソコンやスマホの画面を見続けたりしてしまうことで腰や肩、首などの筋肉を硬くしてしまいがちです。
そうやって硬くなった筋肉を伸ばすこと、さらには関節の可動域という身体を動かせる範囲を広げる効果がヨガにはあります。
筋肉の硬さを簡単にチェックするために、そのままバンザイするように両手をまっすぐ上げてみましょう。無理なくどこまで上げられたでしょうか。腕が耳の横にくる180度真上まで上げられていたら十分です。
次に、背すじを伸ばした状態で上半身を左右に回旋してみましょう。自分の顔が真横まで向いていますか?また左右で回しにくいほうはないでしょうか?
このように筋肉の硬さや緊張は関節の可動域、身体が動く角度を制限してしまいます。理想的な可動域は個人差もありますがある程度定められており、その範囲を保つことで怪我や障害を予防してくれます。ヨガには筋肉を伸ばし、緩める作用があるので、硬くなってしまった身体にとても効果的です。普段の生活で自分がどのような姿勢が多いか、そのためにどこの筋肉が硬くなっているか気づきを与えてくれるかもしれません。
硬くなった筋肉を伸ばし、適切な関節の可動域を獲得するという肉体的にもとても大きい効果がヨガにはあり、道具を必要としないのも魅力の一つでもあります。自宅でできるような簡単なポーズなどもまたこちらでご紹介していきたいと思います!
ヨガの効果