トレーニング理論 身体について

骨格と柔軟性

ピラティスやヨガに限らず、様々なトレーニングやスポーツをするために身体の柔らかさは大切な要素です。

一般的に柔軟性と言われる身体の柔らかさ、これが十分に備わっていることで関節の可動域が増え、動きの幅も大きくなります。
この可動域をコントロールすることも重要ではありますが、まずは自身に適切な柔軟性を確保することが身体を良くする基礎的な部分と言えます。

日常生活ではあまり感じることはないかもしれませんが、柔軟性の低下は関節の動きを狭め、あらゆる動作を制限してしまいます。
そして制限された部位だけでなく、代わりに動きすぎてしまう部位にも通常以上の負荷がかかり、腰痛や股関節、膝の痛みといった障害を引き起こす原因となってしまうかもしれません。

筋力と同じように柔軟性も加齢や運動不足によって低下してしまいますが、いくらストレッチをしても柔らかくならない…というように可動域には限界があります。
また女性のほうが前屈や開脚が得意なように、男女差、個人差も身体の柔らかさに関係してきます。

身体が柔らかい人は筋肉が柔らかい、男性は筋肉が硬いので身体も硬いと思われがちですが、柔軟性は筋肉だけでなく骨格にも影響を受けます。

特に男性と女性ではもともとの骨格に違いがあり、そこが柔軟性を分ける一つの大きな要因と言えるでしょう。

男女間で最も構造に差があるのは骨盤部分です。
女性の骨盤は男性よりも横幅が広く、大きい作りになっています。
また太ももの骨である大腿骨と骨盤の付着部も浅く広いため、関節がよく動きます。
股関節の構造上、女性のほうが前屈や開脚がしやすいということですね。

女性であっても開脚やあぐらなど、脚を開く動作が苦手な人も多くいます。
それには骨盤の構造だけでなく、大腿骨の角度が関係しているかもしれません。

太ももの骨は先端が丸くなっており、これを大腿骨頭と呼びます。
そして骨盤にはこの大腿骨頭を支える受け皿のような部分(臼蓋)があり、この付着部が股関節となります。

股関節の付着角度が通常であれば、太ももの骨はまっすぐ正面を向いています。
しかしこの角度が身体に対して前後にずれることで、太ももの骨も内向きや外向きに歪んでしまいます。

内向きに歪んでしまっている場合、構造上脚を開く角度にも制限がかかります。

股関節は自由に動く関節ですが、骨盤の受け皿内でしか動くことはできません。
骨盤に大腿骨が付着する角度を「捻転角」といいますが、こういった構造を無視したストレッチや動作は怪我のリスクを高めます。
身体を柔らかくするためといっても、過度な柔軟や関節の引き伸ばしは注意して行いましょう。

柔軟性の高さは筋肉の硬さや骨格に由来します。
普段運動はしないけど身体は柔らかい、という人は骨格の構造によるところが大きく、もしかしたら筋肉は硬くなっているかもしれません。
柔らかい一部分だけでなく、全身の可動域や筋力をバランスよく保っていられるように心がけておきましょう。

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