インソール 身体について

オーバープロネーション

今回も足とインソールに関してのお話です。

スタジオで販売しているSUPERfeet、LifeOTCのインソール、種類はいくつかありますが、いずれにも共通している点はその機能的な構造による高いサポート力です。

機能的な構造というのは前回の記事でもお伝えしましたが、かかとを深く包むようなヒールカップと、内くるぶしの下(載距突起と呼ばれるかかとの骨の一部)あたりをサポートする立体形状、そして高密度フォームを使用して作られた表面のトップシートにあります。

この構造が持つ大きな役割は、足のかかと側にあたる後足部を強く支えることです。

足は下記で示す通り、部位によって三つのエリアに分けられます。
・前足部 → つま先
・中足部 → 足の甲あたり
・後足部 → かかと周辺

この三つのエリアのうち歩行やランニング、トレーニングなどあらゆる動作の起点となる関節は後足部にあります。

例えば地面を歩く時、足は接地と蹴り出しを交互に繰り返しています。
これはブレーキとアクセルのような動きで、接地による衝撃吸収と蹴り出しによる推進力発揮の効果を持っています。

この二つの動作を確かに果たすため、後足部にある関節の機能を欠かすことはできません。

足を地面に着く瞬間、かかとの動きを見てみましょう。

接地の衝撃を吸収するため、かかとは若干内側に倒れこみます。
これは後足部の関節が緩んでいる証拠で、そのままアーチやつま先もたわませることで着地の力をうまく分散しています。

その後緩んでいた後足部の関節を締め、アーチをしっかりと作ることで、前足部による強い蹴り出しが行われます。
地面を最後に蹴るのは前足部ですが、大きな推進力を生むためにまずは後足部を安定させる必要があるということです。

後足部が接地時の緩い状態のままではアーチがうまく作られず、蹴り出す力も弱くなってしまいます。
しかし現代人の大半は、この後足部が緩みっぱなしになっていることが多く、足の機能を十分に使えていません。

接地時に足首が内側に倒れこむ動作をプロネーション(回内)と言います。
これは足が緩んでいる状態を表し、ニュートラルプロネーションと呼ばれる適切な内側方向への倒れこみがあることでスムーズに衝撃を吸収することができます。

現代人の足が緩んでいる状態というのは、このプロネーションが過剰に起きてしまっていることを指します。

ニュートラルプロネーションと比較し、必要以上に足首が内側に倒れてしまっている場合、これをオーバープロネーション(過剰回内)と言います。
オーバープロネーションでは後足部の関節が過剰に働いてしまっており、接地時の安定性や衝撃吸収力の低下、それによる足部や膝への負担も大きく受けてしまいます。

また足が過剰に回内してしまっているので、サピネーション(回外)と呼ばれるその後の蹴り出し動作へうまく切り替えることもできません。

つまり後足部の関節の不安定さが足のオーバープロネーションを引き起こし、歩行などに必要な動作や機能を低下させてしまうということです。
さらにオーバープロネーションは外反母趾や足底筋膜炎、シンスプリントなど様々な足の痛みの原因も引き起こします。

これらに関してはまた改めてお伝えしたいと思いますが、まずは足の後足部の重要性を知っておきましょう。
そしてこのオーバープロネーションの改善には足の使い方や筋力ももちろん関係するため、トレーニングやピラティスといった方法も手段の一つです。
しかし足は普段から多く使う部位なので、インソールによる日常的なサポートもとても有効です。
足の症状や回内の状態によって上手に活用してみてください。

カテゴリー

-インソール, 身体について

© 2020 training studio livitum