トレーニング理論 ピラティス・ヨガ 身体について

胸椎の伸展

ピラティスのエクササイズには、腹筋群を働かせるような身体を丸める動きの他に、胸を起こして背中の上部を反る動作も多く見られます。
これは背骨のちょうど胸部分を反らせる動きで、胸椎の伸展動作と呼ばれます。

ピラティスをやってみると意外とこの伸展動作ができなかったり、思ったより自分の背骨が硬いと感じる人も多いのではないでしょうか。

背骨には本来S字カーブといわれる弯曲があり、胸椎はもともと後ろに丸まった後弯の状態にあります。

さらに日常生活では背中が丸くなる、いわゆる猫背の姿勢になってしまうことが多く、この胸椎を伸展するための筋肉が硬くなり、動作そのものもうまく行えなくなってしまいます。

もとから大きく反るのが得意な部分ではありませんが、この可動域が低下することで、代わりに首や腰(頸椎や腰椎)に負担が強くかかります。

背骨の中で胸椎の上には頸椎、胸椎の下には腰椎があり、これらはもともと反る動作が得意です。
しかし胸椎の動きが硬くなってしまうと、頸椎と腰椎がよりたくさん動こうとしてしまい、その分関節や筋肉には負荷がかかります。

得意な部分だけで動くのではなく、背骨全体の動きを出すためにも胸椎の伸展動作を忘れてはいけません。

動作が硬くなってしまう要因は様々ですが、肩が前に出るような不良姿勢による胸筋群(大胸筋や小胸筋)の短縮、背中側の緊張や呼吸の乱れによる広背筋の短縮など筋肉の硬さも大きく関係します。

伸展動作を行う前に、胸や背中の筋群を緩めることも胸椎可動域の改善に効果が望めます。

また胸椎は肋骨ともくっつき、肩甲骨にも近いことからこれらの影響も受けやすいと考えられます。
僧帽筋や前鋸筋といった肩周りの筋群のコンディショニングケア、肋骨を柔軟にする安定した呼吸も常に心がけてみましょう。

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