トレーニング理論

ファンクショナルトレーニング理論2

今回は前回に引き続き、ファンクショナルトレーニング理論の5つの原則のうち残りの2つについてお話していきます。
先にお伝えした3つの原則の他に、機能的な身体づくりのために必要な要素にはどういったものがあるのでしょうか。

4. キネティックチェーン(Kinetic Chain)
これまでの3つの原則をまとめてみると、ファンクショナルトレーニングにはできるだけ多面的な動きで多くの関節を正しく動員することが重要だということがわかると思います。
ではなぜそのような動作が機能的であるかというと、そこには筋や筋膜の繋がり、力を効率よく伝えるための運動連鎖(キネティックチェーン)が関係しています。
ある動作を行う際、活動しているのは主動筋と呼ばれるメインの筋だけでなく複数の筋群が補助的に働いています。これはフォースカップルとも言われ、一つの関節運動にしても多数の筋が協調的に機能することで目的の動作を果たしています。

加えてさらに大きな動作で考えると、筋のサブシステムという運動連鎖も存在します。
これは様々な動作に対して背骨や骨盤を安定させ、パフォーマンスを高めるための筋群の連鎖を表すものです。
そもそも筋は単独で存在しているわけではなく筋膜によって繋がっているとされています。その中でも特に繋がりの強い筋同士が連鎖を起こして機能していると考えられます。
筋のサブシステムはいくつかのパターンに分かれますが、その中の主な3つは下記になります。

・POS(Posterior Oblique Subsystem)後方斜めサブシステム|広背筋、胸腰筋膜、大臀筋による筋の連鎖。背骨や仙腸関節の安定に寄与し、さらに対角上の広背筋と大臀筋連結により回旋動作の安定性やパワー発揮にも関係します。
・DLS(Deep Longitudinal Subsystem)深垂直サブシステム|脊柱起立筋群、胸腰筋膜、仙結節靭帯、大腿二頭筋、腓骨筋長頭による筋の連鎖。ジャンプや走行時の着地など垂直方向にかかる負荷に対して仙腸関節の安定性を高めます。
・LS(Lateral Subsystem)側方サブシステム|中殿筋、大腿筋膜張筋、内転筋群、腰方形筋による筋の連鎖。歩行時や片脚立ちの際に股関節、骨盤を安定させ、身体の左右バランスを調整します。

このように身体には複数の筋の強い連結があり、その繋がりを意識したトレーニングを行うことで運動連鎖に基づいた動作獲得、安定性の向上が期待できます。

5. 力の吸収と発揮(Loading & Unloading)
重力下で動作を行う時、先に適切な力の吸収をしておくことで効率的、爆発的な力の発揮をすることができます。
歩行においても前に出した脚をしっかりコントロールして着地することで、次の脚をスムーズに出すことができています。歩行が早歩き、ダッシュ、ジャンプなど発揮する力が大きくなるほど力の吸収も大きく必要になり、動作が速くなれば力の吸収から発揮までのスピードも必要になります。
高くジャンプするためにはスクワットで深くしゃがむ動作を鍛えることもできますが、素早いジャンプや連続したジャンプのためには縄跳びなどで力の吸収と発揮の切り返し動作をトレーニングすることも効果的と言えます。
速い動作というのは神経回路のトレーニングにもなり、身体の反応速度も高めます。ゆっくりとした筋トレやヨガだけでなく、スピードを高めるエクササイズもぜひ取り入れてみましょう。

以上がファンクショナルトレーニングにおける5つの原則です。
さらにファンクショナルトレーニング理論の中では「機能的な動き」を次のように定義しています。
・機能的な動きとは、Stability Joint(安定性)とMobility Joint(可動性)が各関節ごとに分離して機能し、キネティックチェーン内にて共同運動をする。その動作は3面運動であり、力の発揮の前に必ず力の吸収が行われる。

すべての原則を守らなければいけないと考えると難しく感じてしまいますが、適切な姿勢や動作で多様なエクササイズを行うことが自然と機能的な動きを獲得してくれます。また自分の弱い部分や苦手な動作を鍛えることができるのがトレーニングのメリットなので、偏りなく身体の機能を高めていくようにしましょう!


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