ピラティス・ヨガ

マシンピラティス

当スタジオのトレーニングでは種目の内容にはこだわらず、いわゆる筋トレやピラティス、呼吸や自重エクササイズなど目的に応じたプログラムをご提供しています。
その中でも特に登場頻度が高く、トレーニングの大半を占めているのがマシンピラティスです。
日本ではまだ馴染みが浅く、ピラティスといえばマットの上で行う体幹トレーニングのように思われるかもしれません。ピラティス自体もまだまだ歴史が浅いことと日本のスタジオの広さなども原因に挙げられますが、海外ではピラティス=マシンエクササイズというイメージも強く、今後は国内でもピラティスマシンを導入するスタジオがさらに増えてくるとも言われています。

そもそもピラティスマシンとはピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティス氏が考案した器具ですが、ベッドを改良した「リフォーマー」や椅子タイプの「チェア」、ビール樽をもとにした「ラダーバレル」など身近なものからインスピレーションを得てトレーニングに利用していたことがわかります。
これらのマシンは様々な改良や工夫が施され、ピラティス氏が亡くなった現在でも世界中で広く愛用されています。

リビタムのスタジオにはリフォーマーとチェアが一台ずつ置いてありますが、このマシンの特徴はスプリングの抵抗をコントロールすることにあります。
リフォーマーではベッドのシートのように座ったり寝たりするキャリッジと言われる部分に、チェアでは足元にあるペダルにそれぞれスプリングがついており、各部位を動かすとスプリングの伸び縮みによる抵抗が加わります。

ファンクショナルトレーニングについての記事でもお伝えしましたが、私たちの身体には常に重力による負荷がかかっています。その重力下で身体を思い通りに動かすことが機能的トレーニングと言えますが、ピラティスマシンのスプリングによる外力も同様の身体コントロール力を向上させてくれます。
特にタワー付きのリフォーマーでは重力のような垂直方向だけでなく左右、水平などあらゆる角度から抵抗を加えることができます。(チェアでも体勢を変えることで様々な負荷をかけることができますが、椅子のように狭い座面に身体を預けるので少し難易度が高いとされています。)

まっすぐ立っている状態で誰かに横から押された時、身体は倒れないように自然と姿勢を正します。反対に自分がとてつもなく重い扉を押す場合、身体は自然と力が伝わりやすい姿勢をとろうとします。
このように様々な外力に対して私たちは姿勢を変化させて動作をコントロールします。リフォーマーやチェアでも同じように外力に負けない姿勢を作ったり安定した姿勢でスプリングを動かしたりするので、このような点がピラティスには姿勢改善の効果が高いと言われる一因ではないかと思います。

姿勢を安定させることは身体の中心であるコアや体幹を強くします。
またマシンのスプリングによる負荷を高めることで筋力アップの効果も望めますが、逆に負荷を弱くすることで動作を補助したり、自分自身の動きを感じることができます。
ピラティスのエクササイズには一見なにをしているかわからないような小さくゆっくり動くものが多くあります。こういった動作は自らの意識を身体の内側へ向け、深層部にある筋や関節の動き、ポジションの変化など体内の細かい情報を感じ取る手助けをしてくれます。
内部の状態を整えることで自然と正しい動作が身に付き、もともとのピラティスの特徴でもあるホールボディ(頭部から手足の先までを含む身体全体)のエクササイズを可能にしてくれるのではないでしょうか。

昔の人々は重い荷物を持ち、起伏のある道を歩く「移動」という行動で自然と身体を鍛えてきました。できるだけ疲れず遠くまで移動できるように効率的な身体の使い方をしていたに違いありません。
しかし現代では荷物もコンパクトになり、移動の手段も電車や車など身体に負荷をかけずにできるようになりました。
そもそも他の動物に比べ人間はエネルギー効率や身体バランスが高く、長距離移動に長けている生物です。その得意としていた行動をしなくなることでどの程度かはわかりませんが、身体の機能低下や構造の変化に影響を与えているのではないかと考えられます。

マシンピラティスの話から逸れてきてしまいましたが…近年の生活様式の変化、特に昨年から在宅時間が増え心身への影響が心配されています。
外力や外敵に負けない身体を作ることが健康の基礎になりますので、ピラティスだけに限らず生活の一部として運動習慣を身につけておくようにしましょう。

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