身体について

痛みの受容器

感覚受容器についてのお話で、私たちが感じる刺激の一つに侵害需要刺激というものがありました。
身体の受容器がなんらかの刺激によって侵害されることで、その刺激から身を守るまたは避けるためのサインとして痛みを感じています。この刺激を受け取る受容器にもいくつかの種類が存在するので分類してみましょう。

痛みを感知する受容器は、「機械侵害受容器」「温度侵害受容器」「ポリモーダル受容器」「サイレント侵害受容器」の4種類に分けられます。
機械侵害受容器は高閾値機械受容器とも呼ばれ、主に皮膚に加えられる引っ張りや圧力というような機械的な刺激に対して反応します。刺激がある一定の強さ(閾値)を超えることで防御反応を示していると考えられます。

温度侵害受容器は極端な熱さや冷たさよって活性化する受容器で、45℃以上もしくは5℃以下の熱すぎたり冷たすぎたりする温度に対して反応し、痛みを引き起こします。

ポリモーダル受容器は、上記の機械刺激、温度刺激に加えて科学的刺激など多くのものに反応します。科学的刺激とは怪我による炎症や、硬くなった筋肉や血流の低下によって生じる発痛物質のことを指します。肩こりなども、肩周辺の筋肉が硬くなり発痛物質を生んでいることが痛みの原因の一つです。
これら3つの受容器は皮膚など身体の表面だけでなく、関節や骨格筋の内部など全身に広く分布しています。

残るサイレント侵害受容器は主に内臓に存在しています。通常は侵害刺激に反応することはありませんが、炎症などによってダメージを受けると閾値が低下し、痛みを発するようになります。

このように受容器が様々な刺激を受けて発生する痛みを侵害受容性疼痛と呼び、痛みの大半が該当します。
これ以外にも神経の圧迫や損傷によって起こる神経障害性疼痛、または精神的な不安やストレスを原因とした心因性疼痛があり、この二つは受容器を介さずに痛みを発します。痛みの種類はこれらの三つに大きく分けることができます。
痛みの改善にはその要因を知ることが重要ですので、他の二種類がどのようなものか、また解説していきたいと思います。

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