トレーニング理論

発育発達曲線

子供の運動機能向上に関する理論で、ゴールデンエイジという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
これは子供の運動能力、特に技術や身体の動かし方など神経系が急速に発達するとされている期間のことで、6歳~12歳あたりの年代を指します。

このゴールデンエイジ理論の背景には、アメリカの医学者であったリチャード・スキャモン氏の研究が関係しています。
スキャモン氏の研究とは子供の発育発達について調べたもので、上記の図にそのデータが示してあります。

図の中にあるグラフは人間の器官や機能の成長を表したもので、成人時の発育量を100%とした場合、それに対する各年齢での発達の割合を曲線で示しています。
グラフ内の項目の下記の通り、各器官や機能をまとめたものです。

リンパ系型:免疫力を高める扁桃やリンパ節、胸腺などのリンパ組織
神経系型:脳や脊髄、視覚器などの神経系や感覚器官
一般型:伸長や体重、筋や骨格に加え、心臓や肝臓などの各臓器
生殖器系型:男女それぞれの生殖器と性ホルモンの分泌

これらの器官、機能は年齢によって成長の度合いが変わります。
例えば伸長や体重を表す一般型では、出生直後と12~15歳頃の2つの時期に大きく伸びていることがわかります。
身体を病気などから守るリンパ系も乳幼児期からどんどん成長し、12歳頃には成人の倍近い発達のピークを迎えますが、その後は徐々に下降し大人と同じレベルに落ち着きます。
反対に生殖器系は14~15歳を過ぎたあたりから急速に成長をします。男性ホルモンや女性ホルモンの分泌も増加し男女差が顕著に見られるのがこの時期からになります。

そして身体の様々な動きや感覚を司る神経系は、出生後すぐにこの4つのパターンの中で一番高い成長割合を見せています。
成人時のレベルに対して5歳前後には80%、10歳頃にはほぼ100%に近い数値を記しています。

この研究に基づき、神経系が大きく発達する数年の間に複雑な運動やスポーツ動作を習得することが望ましいという考えからゴールデンエイジ理論が伝えられるようになりました。

しかしスキャモン氏の研究自体が90年程前のものであることや、そもそも神経系の発達が直接スポーツの習得に影響するかどうかも明らかにはなっていないことから、ゴールデンエイジ理論も改めて検証する必要があるとも言われています。

人間の成長には個人差もあるため、単純に年齢だけで運動神経やスキル発達の度合いを決めてしまうのは適切ではないのかもしれません。
大人になってもトレーニングを積むことで新しい動作やスポーツ、テクニックを習得することももちろん可能です。
どの年齢においても繰り返し行うことで動作は上達していきます。そしてやったことのない動きは徐々に恐怖心が生まれ身体が拒絶してしまいます。
子供にとって大切なのは、柔軟な身体と心があるうちにいろいろな物事に挑戦させる環境を作ってあげることかもしれません。
幼児期に重要な運動などもまたご紹介したいと思います!

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