栄養 身体について

妊娠糖尿病

インスリンや血糖値の記事の中で、糖尿病についてもお伝えしました。
糖尿病は一型と二型に分けられましたが、それらの他に妊娠糖尿病という種類もあります。

妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて糖代謝の異常が見られる状態、もしくは糖尿病ほどではない軽度の高血糖状態のことを指します。
妊娠中に高血糖だと診断されても妊娠前から糖尿病に関するなんらかの症状があった場合、それは妊娠中の明らかな糖尿病として分類されます。
糖尿病の原因はインスリンの分泌が関係していましたが、妊娠糖尿病も同じようにホルモンの作用が影響しています。

妊娠中は胎盤からプロゲステロンやプロラクチンといったホルモンが分泌され、これらはインスリンの働きを抑制します。またインスリンを壊す作用を持つタンパク質分解酵素も胎盤で作られるため、妊娠前に比べて血糖値が上がりやすい身体になっています。

妊娠糖尿病では自覚症状はほとんどありませんが、合併症として早産や羊水過多、妊娠高血圧症候群、その他感染症など様々なリスクが高まります。
また胎児側にも低血糖や低カルシウム血症、黄疸や発育遅延などを引き起こす影響があり、さらには将来的に肥満体質になりやすい傾向にあることが懸念されています。

妊娠糖尿病は妊婦の約12%が診断される罹患率が高い病気のため誰でも注意が必要ですが、特に下記項目にあてはまる人は妊娠糖尿病になりやすい体質と言われています。
・妊娠前から肥満体質である(BMI25以上)
・35歳以上での妊娠
・家族に糖尿病患者がいる
・早産や流産、巨大児分娩歴などがある
・妊娠高血圧症候群

通常の糖尿病と同様に妊娠糖尿病でも食事や運動療法による治療が一般的ですが、まずは胎児へ栄養を送ることが重要になるので極端な食事制限は避けなければなりません。
血糖値の急激な上昇を抑えながら、必要分のエネルギーや栄養を摂取できるバランスのよい食事が基本となります。

運動療法も効果的ですが、妊娠中は体調の変化や胎児への影響も考慮する必要があるため、こちらも強度の高い運動は医師と相談しながら注意して行わなければいけません。ウォーキングやマタニティヨガなど軽度の有酸素運動が中心となります。

妊娠糖尿病の場合、出産後は自然と血糖値も正常に戻ることが多いですが、次回の妊娠時に再発する可能性と将来的に糖尿病になるリスクが高まるとも言われています。
妊娠中は体調だけでなく精神的にも不安定になりやすいので、治療がストレスとならないよう日頃から適切な食事と運動を心がけ、定期的な健康診断や血液検査で予防に努めておきましょう。


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