トレーニング理論 ピラティス・ヨガ 身体について

腰痛-圧迫ストレス-

腰の骨や背骨の間にある椎間板、これらの形や構造の変化、劣化は腰痛の主な原因の一つになります。

前回の腰痛のお話の中でもお伝えしましたが、腰には常にストレス(負荷)がかかっています。
このストレスによって腰はダメージを受け続け、あるタイミングでそれに耐えられなくなった場合、椎間板などの組織の損傷や腰部の痛みが発生します。

そのため、このストレスに耐えられるだけの強い腰を作る!というのも一理ありますが、まずは日常的にかかる負荷をできるだけ軽減していくというのも、腰痛から身を守る重要な手段になります。

そもそも背骨の骨一つ一つの間にある椎間板は、負荷をやわらげるクッションのような働きをしています。
積み木のように重なっている背骨の間に入り込むことで、骨が圧迫による負荷で潰されてしまうこと、骨と骨同士がぶつかり合ってしまうことを防いでくれています。

しかし椎間板は垂直方向への負荷には耐性がありますが、横方向へかかるような剪断力、腰を捻るような回旋ストレスにはあまり強くありません。
つまり腰を長時間丸めて座っていたり、大きく曲げて荷物を持ち上げたりすることは、腰に対して決して小さくない負荷がかかってしまっているということですね。

これはトレーニングにおいても同じで、仰向けの姿勢から上体を起こすいわゆる腹筋運動、この動作も身体を深く丸めているため腰部にはストレスとなっています。
特に反動をつけて起き上がるような動作では、瞬間的に強い負荷が腰にかかります。

腹筋群のトレーニングや背骨を動かすことはもちろん大切ですが、腰の健康を保つためにはその回数や頻度を制限する必要があります。
お腹をへこませるためと言って、毎日上体起こしのような運動を何十回も続けてはいないでしょうか。
同じエクササイズの無理な繰り返しではなく、適切な動作で幅広いメニューを組むことが、身体への負荷も少なく効率の良いトレーニングとなるでしょう。

他にも、起床後すぐの椎間板は負荷に対して弱くなっており、背骨周辺の筋力も10~20%ほど低下していると言われています。
朝起きたばかりの激しいトレーニングは避け、準備運動から始めるなど十分身体に気をつけてから行いましょう。
負荷の低いプレピラティスも朝のトレーニングにはもってこいですね。

さらに腹筋や腰部のトレーニング時以外でも、正しい姿勢を保っておくことは痛みの予防になります。
実際に腰痛のある方々に対し、腰のニュートラルポジション(中間的な位置)をキープしたまま様々な動作をする場合と、姿勢の制限を全くしないで動く場合とでは、正しい腰の位置を維持していた時のほうが痛みも軽減するという事例も報告されています。

このように背骨、主に腰椎(背骨の腰の部分)のニュートラルポジション保持は腰の痛みとも関係があります。
正しい姿勢は腰にかかる負荷を軽減し、ダメージの蓄積を防ぎます。
また長時間の固定された姿勢は背骨を圧迫し続けるため、体勢の変化や適度な休息は腰部のストレス減少に効果的です。
特にデスクワークの方は意識的にこまめな休憩、そしてバランスのよいトレーニングを続けることが腰の健康にもたしかに貢献してくれるでしょう。

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