身体について

呼吸

私たち人間は、起きてる時だけでなく寝ている間も絶えず呼吸をし続けており、その回数は一日に約二万回と言われています。
そんな呼吸を普段意識することはほとんどありませんが、近年ではその呼吸に焦点を当てたトレーニングやコンディショニング方法が広がってきています。
ヨガやピラティスではレッスン中に息を吸ったり吐いたり指示することが多いですが、改めて呼吸を意識することの目的や効果をいくつか取り上げてみましょう。

まず初めに、呼吸をすることの第一の目的は生命活動の維持です。
息を吸うことで体内に取り込まれた酸素は肺の中へ入っていき、器官の先にある肺胞まで達します。
肺胞の周りは毛細血管が覆っていて、その境目から酸素が血液中に流れ込んでいきます。

酸素は心臓から身体中を巡り、糖や脂肪を燃やして脳や筋肉、神経など全身の細胞のエネルギーとなります。
その過程で発生した二酸化炭素も血液中から肺へ送られ、その後取り込まれた酸素と交換するように体外へ排出されます。
身体を動かすのは普段よりエネルギーを必要とするので、運動中に息が上がるのもそのためですね。

こうした呼吸は自然に行われるものですが、酸素は栄養とともに血中を運ばれていくため血管の環境によって循環の良し悪しも変わってきてしまいます。
血液がしっかりと流れるように拡張する血管の弾力性や、さらさらと流れやすい血液そのものの状態も大切です。
また血液は心臓のポンプだけでなく筋肉の収縮、弛緩によって全身へ送られるため、日常生活でも長時間座りっぱなしや運動不足では血液の流れも滞ってしまいます。

呼吸による酸素の運ばれ方と体内の環境についてご説明しましたが、次は呼吸動作を詳しく見ていきましょう。

以前、横隔膜に関する記事でもお伝えしましたが、呼吸動作を行う主な筋肉は横隔膜です。
肺胞に酸素を取り込むためには「胸腔」という肺が収まっている空間をしっかりと広げてあげなければいけません。
胸腔が広がることで肺が膨らむスペースが生まれ、十分に酸素を吸い込むことができるようになります。

横隔膜はこの胸腔を下から支える壁のようになっており、息を吸うことでお腹のほうへ下がり胸腔を広げる働きをします。
続けて息を吐くと元の位置へ戻ってくるので、胸腔が狭まり肺の中の空気も外へ押し出されていきます。

この横隔膜の動きが呼吸の主な動作となるのですが、他の筋肉と同様にストレスや筋緊張、姿勢不良など様々な要因によって機能は低下してしまいます。
横隔膜の機能が低下すると、胸腔が広がらず呼吸量の低下や呼吸数の増加に影響を与えます。
また肩や首周りの別の筋肉を動員して胸腔を広げようとするので、その結果筋肉の緊張により首や肩こりなどを引き起こしてしまうかもしれません。

さらに横隔膜の正しい動作は内臓機能にも関係してきます。
横隔膜が下がることで胸腔は広がっていきますが、その下には複数の内臓が存在します。
肺と同じように内臓も自分たちで動くことはできないのですが、横隔膜が下がると下に押されるようにして内臓も一緒に動きます。
実際に10~15cmほど内臓は動くと言われ、動くことで内臓の働きも活性化し、消化機能や免疫機能などが自然と高まっていきます。
反対に横隔膜の機能が低下してしまうと内臓の動きも悪くなり、なんらかの機能に影響を及ぼしてしまうかもしれません。

このように呼吸の基本的な目的はエネルギー供給、ガス交換ですが、その他にも様々な作用を身体に与えます。
そしてその鍵となっているのが、横隔膜の働きです。
小さなエラーでも一日に二万回繰り返されることで次第に大きな障害を発生してしまうかもしれません。
それを正すためには呼吸や横隔膜のトレーニング、コンディショニングが有効になるということですね。
詳しい内容やその他の効果などもまた解説していきたいと思います。


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